Fuzoku実践入門ブログ

Amazon で好評発売中の『Fuzoku実践入門』に関するエピソードなどを紹介するブログです。

『Fuzoku実践入門』サンプルリポジトリの紹介

今回の執筆で、書籍が物としての成果であるならば、本記事で紹介するリポジトリは技術的な成果だと言えるでしょう。

誰でも簡単に電子書籍を書いて出版できる世の中になったとはいえ、書籍をリリースするために必要な知識は多く、ものを書くということ以外に学ぶべきことは無数にあります。

そんな中、このリポジトリを作ることができた今では、次に書籍を出版する際、そういったものを書く以外のことに時間を取られることなく、執筆に集中できるようになったことは、やはりかけがえのない資産だと言えます。

リポジトリについて

サンプルリポジトリGitHubの下記のページで公開しています。

なお、書籍本体のリポジトリGitHubのプライベートリポジトリで管理しています。

このリポジトリを利用して、EPUBやMOBIやPDFを作成する方法を紹介していきます。

インストール

READMEドキュメントにも書いていますが、ここで詳しく解説していきます。ここからの作業は全てターミナルで行ないます。

まずは、リポジトリを任意のディレクトリにクローンします。

$ git clone https://github.com/akinomurasame/learning-fuzoku-sample.git

続いて、こちらのリポジトリで利用する Gem ファイルをインストールします。

$ bundle install --path vendor/bundle --binstubs vendor/bundle/bin

もし、まだbundleコマンドが利用できない方は、gem install bundler を実行して、bundleコマンドをインストールします。

bunlde installが完了すると、Re:VIEWによるEPUB出力が可能になります。

MOBIを出力するkindlegenのインストール

EPUBからMOBIを出力するためには、kindlegenコマンドをインストールする必要があります。こちらはAmazonからダウンロードしても良いのですが、Homebrewが使える環境であれば、次のコマンドでインストール可能です。

$ brew tap homebrew/binary
$ brew install kindlegen

これで、MOBIの出力も出来るようになりました。

PDFを出力するTeX環境のインストール

Re:VIEWを使ってPDF出力するためには、TeX環境をインストールする必要があります。

Mac場合、MacTeXという総合パッケージが公開されており、これをインストールするとTeX環境が一気に揃うのですが、DMGファイルで2.4GB、展開すると3GB超になるので、もしファイルサイズが気になる方は、BasicTeXをインストールしてReVIEWでpdfを生成するまでを参考にしてみて下さい。本記事では、MacTexでの導入を解説します。

MacTeXもパッケージをダウンロードしてインストールしても良いのですが、Homebrew Caskが利用できる環境であれば、こちらもターミナルからインストール可能になっています。

もし、まだHomebrew Caskをインストールしていなければ、次のコマンドでインストール可能です。

$ brew install caskroom/cask/brew-cask
$ brew cask install mactex

既に、Homebrew Caskがインストール済みであれば、2行目のみでOKです。

MacTeXをインストールすると、/usr/texbinという場所にコマンドが用意されますが、パスが通っていないと、コマンドを利用できないため、環境変数PATHに追加しておく必要があります。次の行は .zshenv の設定例になります。

export PATH="/usr/texbin:$PATH"

これでいよいよPDFの出力もできるようになりました。

rake all で全て作成、rake clean で一掃

セットアップが無事に全て完了していれば、プロジェクトルートで、

$ rake all

を実行すると、EPUB、MOBI、PDFのサンプルファイルが作成されます。

実行するたびに、Re:VIEWが利用する作業ディレクトリが増えていきますので、削除したい場合は、

$ rake clean

で一掃することが可能です。

まとめ

今回は、電子書籍を書くことで学んだ、私のリポジトリを紹介してみました。

しかし、何分はじめてなので、もっともっと効率的なリポジトリ運用を行なっている方もいるかと思います。

ですので、私も負けずに、2冊目、3冊目と書いていく中で、書籍だけでなく、素晴しいリポジトリ運用も勉強していきたいと思っています。

新たに学んだことは、このブログで公開していきたいと思いますので、拙著と合わせてどうぞ宜しくお願いします。

Fuzoku実践入門: 裏打ちされた知識で正々堂々とデビューする

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